【第2回】医療広告ガイドラインについて改めて考える

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前回の記事【第1回】医療広告ガイドラインについて改めて考えるの続きです。今度は2018医療広告ガイドラインについてお話しできると良いですが…
それではいきます。

医療広告ガイドラインが一部改正されることになった背景

まずは、なぜ医療広告ガイドラインが一部改正されることになったのか。

別紙3(医療広告ガイドライン)[PDF形式:1044KB] – 厚生労働省

それはすぐ書いてありました。

第1 広告規制の趣旨
1 医療法の一部改正について
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告(以下「医療に関する広告」という。)については、患者等の利用者保護の観点から、医療法(昭和 23 年法律第 205 号。以下「法」という。)その他の規定により制限されてきたところであるが、医療機関のウェブサイトについては、原則として、規制対象とせず「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)について」(平成 24 年9月 28 日付け医政発 0928 第1号厚生労働省医政局長通知)により関係団体等による自主的な取組を促してきた。
しかしながら、美容医療に関する相談件数が増加する中、消費者委員会より、医療機関のウェブサイトに対する法的規制が必要である旨の建議(美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議(消費者委員会平成 27 年7月7日))がなされた。同建議を踏まえ、平成 29 年の通常国会で成立した医療法等の一部を改正する法律(平成 29 年法律第 57 号)により医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとした。

医療法で広告規制してきて、医療機関ホームページガイドラインでホームページで発信する情報のお願いをしてきたけど、美容医療トラブルの相談多すぎ!
もうホームページも広告扱いして罰則の対象にするからね!という感じでしょうか。
美容医療のトラブル、相当多かったんでしょうね…

さて、この中で出てきた「医療機関ホームページガイドライン」。
あれ?なんか聞いたことあるようなないような…
そう。
似てるんですが医療広告ガイドラインと医療機関ホームページガイドラインは別物です。ここは自分も混同していました。
似たような名前を付ける国が悪い笑
というわけで、2018医療広告ガイドラインを読んでいく前に、まずは「医療機関ホームページガイドライン」から読んでいこうと思います。

医療機関ホームページガイドラインについて

医療機関ホームページガイドラインは、平成24年9月28日付けで医政局から関係団体に通知された指針です。正しくは「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針」と言います。

医療機関ホームページガイドライン – 厚生労働省

なぜ医療機関ホームページガイドラインができたのか。それはすぐに書いてありました。

1 趣旨

本指針は、美容医療サービス等の自由診療を行う医療機関のホームページに掲載されている情報を契機として発生するトラブルに対して、適切な対応が求められる事態が生じている状況等を踏まえ、インターネット上の医療機関のホームページ(以下「ホームページ」という。)全般の内容に関する規範を定め 、関係団体等による自主的な取組を促すものである。

美容医療ホームページでの契約トラブル多いから、ホームページに掲載する内容の規範を定めたので守ってくださいお願いしますという感じでしょう。
ここでも、美容医療…
というより、こっちが先ですが。
つまり、以前から美容医療ホームページについては言及されていたんです。
では続きを読んでいきます。全てまとめるのは大変なので、自分が重要と思った箇所だけまとめていきます。

2 基本的な考え方

医療に関する広告は、国民・患者保護の観点から、次のような考え方に基づき、医療法(昭和23年法律第205号。以下「法」という )により限定的に認められた事項以外は、広告が禁止されてきたところである。

①医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。

②医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手は、その文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。

また、国民・患者に正確な情報が提供され、その選択を支援する観点から、上記の考え方は堅持しつつ、客観性・正確性を確保し得る情報については、広告可能とすることとして順次拡大されてきた。

一方、インターネット等を通じた情報の発信・入手が極めて一般的な手法となっている現状において、美容医療サービス等の自由診療を行う医療機関について、例えば、ホームページに掲載されている治療内容や費用と、受診時における医療機関からの説明・対応とが異なるなど、ホームページに掲載されている情報を契機として発生するトラブルに対して、適切な対応が求められる事態が生じている。
このため、引き続き、原則としてホームページを法の規制対象と見なさないこととするものの、ホームページの内容の適切なあり方について、本指針を定めることとしたものである。

ざっくり言うと、美容医療ホームページでのトラブル多いので指針を定める事とした、という事です。
ポイントは「引き続き、原則としてホームページを法の規制対象と見なさない」の箇所。
ここまで美容医療ホームページのトラブルが多かったのに、法の規制対象にしなかったのはなぜなんでしょうね?謎です。

3 本指針の対象

(1)本指針は、インターネット上の医療機関のホームページ全般を対象とするものであること。
また、本指針は、原則として、当該医療機関に勤務する医師等が個人で開設する、いわゆるブログ等の内容を対象とするものではないが、当該医療機関のホームページにリンクやバナーが張られているなど、当該医療機関のホームページと一体的に運営されている場合等には、本指針の内容を踏まえ、国民・患者を不当に誘引することがないよう十分に配慮すべきであること。

(2)なお、次の具体例のようなインターネット上の情報については、従来どおり、実質的に医療広告ガイドライン(第二の1)に示す①誘因性、②特定性及び③認知性のいずれの要件も満たす場合には、法の規制対象となる広告として取り扱うものであること。

(例)
・インターネット上のバナー広告
・インターネット上に表示されている内容や検索サイトによる検索結果などに連動して表示されるスポンサー等に関する情報
・検索サイトの運営会社に費用を支払うことにより上位に表示される検索結果

医療機関のホームページが対象でブログは対象外という事です。

4 ホームページに掲載すべきでない事項

(1)内容が虚偽にわたる、又は客観的事実であることを証明することができないもの
ホームページに掲載された内容が虚偽にわたる場合、国民・患者に著しく事実と相違する情報を与え、国民・患者を不当に誘引し、適切な受診機会を喪失させたり、不適切な医療を受けさせたりするおそれがあるため、ホームページに掲載すべきでないこと。
また、虚偽にわたるものをホームページに掲載した場合等には、医療法以外の法令により規制され得ること。
なお、ここで掲げるものは例示であって、他の場合であっても本指針の対象となり得ること(以下同じ。)。

(例)
・加工・修正した術前術後の写真等の掲載
あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。

・「当院では、絶対安全な手術を提供しています」
・「どんなに難しい症例でも必ず成功します」
絶対安全な手術を行うこと等は医学的に困難であり、そうした内容の表現については、虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。

・「一日で全ての治療が終了します」(治療後の定期的な処置等が必要な場合)
治療後の定期的な処置等が必要であるにもかかわらず、全ての治療が一日で終了するといった内容の表現を掲載している場合には、内容が虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。

・「○%の満足度」(根拠・調査方法の提示がないもの)
データの根拠(具体的な調査の方法等)を明確にせず、データの結果と考えられるもののみを示すものについては、虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。
また、非常に限られた国民・患者を対象に実施された調査や謝金を支払うことにより意図的に誘導された調査の結果など、公正なデータといえないものについても、虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。

・「当院は、○○研究所を併設しています」(研究の実態がないもの)
法第42条の規定に基づき、当該医療機関を開設する医療法人の定款等において同条第2号に掲げる医学又は歯学に関する研究所の設置を行う旨の定めがある場合等においても、研究している実態がない場合には、虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。

以下が虚偽にわたる表現です。虚偽広告は前回読んだ2007医療広告ガイドラインで「罰則付きで禁じられているもの」となっているので一番注意しなければいけなかった表現です。

・加工・修正した術前術後の写真
・絶対安全な手術
・必ず成功

そして、以下が虚偽かもしれない表現。

・一日で全ての治療が終了
・○%の満足度
・○○研究所を併設

こちらは絶対ダメ!という訳ではありません。ただこれらの表現を使用する場合、根拠や証明が必要でした。定期メインテナンスや経過観察が必要のない治療や手術なんて少ないので「一日で全ての治療が終了」の表現は難しい、アンケート期間やアンケート方法を明示しないといけない「○%の満足度」も難しい。
表現できそうなのは「○○研究所を併設」ぐらいでしょうか。

(2)他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの
「日本一」、「No.1」「最高」等、 特定又は不特定の他の医療機関(複数の場合を含む。)と自らを比較の対象とし、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、自らの医療機関が他の医療機関よりも優良である旨を示す表現は、仮に事実であったとしても、優良性について国民・患者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあるものであり、ホームページに掲載すべきでないこと。
また、著名人との関連性を強調するなど、国民・患者に対して他の医療機関より著しく優れているとの誤認を与えるおそれがある表現は、国民・患者を不当に誘引するおそれがあることから、ホームページに掲載すべきでないこと。

(例)
・「○○の治療では、日本有数の実績を有する病院です」
・「当院は県内一の医師数を誇ります」
自らの医療機関が他の医療機関よりも優良である旨を示す表現は、仮に事実であったとしても、優良性について国民・患者を誤認させるおそれがあるものとして取り扱うべきであること。

・「芸能プロダクションと提携しています」
・「著名人も○○医師を推薦しています」
芸能人等が受診している旨等の表現は、仮に事実であったとしても、国民・患者に対して他の医療機関よりも著しく優れているとの誤認を与えるおそれがあるものとして取り扱うべきであること。

いわゆる比較広告。該当するのは以下。

・日本有数の実績
・県内一
・芸能プロダクションと提携
・著名人推薦

比較広告も2007医療広告ガイドラインでは虚偽広告ほどではないにしろ「禁止される表現に該当すること」と強めの表現になっているので注意が必要でした。

(3)内容が誇大なもの又は医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調
① 任意の専門資格、施設認定等の誇張又は過度な強調
当然の事実等の誇張又は過度な強調や、活動実態のない団体による資格認定の名称、当該医療機関の機能等について国民・患者を誤認させるような任意の名称は、国民・患者を不当に誘引するおそれがあることから、ホームページに掲載すべきでないこと。

(例)
・「知事の許可を取得した病院です」
病院が都道府県知事の許可を得て開設することは、法における義務であり、当然のことであるが、知事の許可を得たことを殊更に強調してホームページに掲載し、あたかも特別な許可を得た病院であるかのように誤認させるおそれがある場合には、内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。

・「医師数○名」(意図的に古い情報等を掲載しているもの)
掲載された年月の時点では、常勤換算で○名であることが事実であったが、その後の状況の変化により、実態に比べて医師数が大きく減少しているにもかかわらず、国民・患者を誘引する目的で意図的にホームページに掲載し続けている場合には、内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。
この場合、掲載されている文字の大きさ等、強調の程度や医療機関の規模等を総合的に勘案し、不当に国民・患者を誘引するおそれがあるかを判断すべきであり、一律に何名の差をもって誇大とするかを示すことは困難であるが、国民・患者に誤認を与えないよう、少なくとも実態に即した人数に随時更新するよう努めるべきであること。

・「○○学会認定医」(活動実態のない団体による認定)
・「○○協会認定施設」(活動実態のない団体による認定)
客観的かつ公正な一定の活動実績が確認される団体によるものを除き、当該医療機関関係者自身が実質上運営している団体や活動実態のない団体などによる資格認定や施設認定を受けた旨については、国民・患者を不当に誘引するおそれがあり、内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。

・「○○センター」(医療機関の名称又は医療機関の名称と併記して掲載される名称)
医療機関の名称として、又は医療機関の名称と併せて「○○センター」とホームページに掲載することについては、
-法令の規定又は国の定める事業を実施する病院・診療所であるものとして、救命救急センター、休日夜間急患センター、総合周産期母子医療センター等、一定の医療を担う医療機関である場合
又は
-当該医療機関が当該診療について、地域における中核的な機能・役割を担っていると都道府県等が認める場合
に限るものとし、それ以外の場合については、内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。
ただし、当該医療機関が提供する医療の一部を担当する部門名として患者向けに院内掲示しているものをそのままホームページに掲載している場合等には、原則として、内容が誇大なものとして取り扱わないこと。

いわゆる誇大広告にあたるのが以下。

・活動実態のない団体による資格
・知事の許可を取得した病院
・活動実態のない団体による認定

誇大広告は虚偽広告や比較広告と比べると、表現が緩いというかまろやかです。なので、絶対ダメという訳ではありませんでした。注意してくださいね、ぐらいでしょう。

② 手術・処置等の効果・有効性を強調するもの
撮影条件や被写体の状態を変えるなどして撮影した術前術後の写真等をホームページに掲載し、その効果・有効性を強調することは、国民・患者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあることから、そうした写真等については内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。
また、あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、上記(1)の虚偽の内容に該当し、医療法以外の法令で規制され得るものであること (再掲)

撮影条件や被写体の状態を変えるなどして撮影した術前術後の写真は誇大広告。ただし、加工・修正した術前術後の写真は虚偽広告に該当します、という事です。

③ 医療機関にとって便益を与える体験談の強調
当該医療機関にとって便益を与えるような感想等のみを意図的に取捨選択し掲載するなどして強調することは、国民・患者を誤認させ、国民・患者を不当に誘引するおそれがあるものであり、ホームページに掲載すべきでないこと。
また、国民・患者に謝礼を支払うなどして、当該医療機関にとって便益となるような感想等のみが出されるように誘導し、その結果をホームページに掲載することについても、同様に行うべきでないこと。

いわゆる体験談。「ホームページに掲載すべきでないこと」「同様に行うべきでないこと」など、表現が緩いです。なので、今まで体験談を掲載しているクリニックが多かったんでしょうね。

(7)医療法以外の法令で禁止されるもの
ホームページへの掲載に当たっては、次の①から④までに例示する規定を含め、関連の他法令等も併せて遵守すること。

① 薬事法(昭和35年法律第145号)
例えば、薬事法第66条第1項の規定により、医薬品・医療機器等の名称や、効能・効果、性能等に関する虚偽・誇大広告が禁止されている。また、同法第68条の規定により、承認前の医薬品・医療機器について、その名称や、効能・効果、性能等についての広告が禁止されており、例えば、そうした情報をホームページに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

② 健康増進法(平成14年法律第103号)
例えば、健康増進法第32条の2の規定により、食品として販売に供する物に関して、健康の保持増進の効果等について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をすることが禁止されており、例えば、そうした情報をホームページに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

③ 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)
例えば、不当景品類及び不当表示防止法第4条第1項の規定により、役務の品質等又は取引条件について、一般消費者に対し、実際のもの又は事実と異なり競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示等(以下「不当表示」という。 )が禁止されており、例えば、不当表示に当たるものをホームページに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

④ 不正競争防止法(平成5年法律第47号)
例えば、不正競争防止法第21条第2項の規定により、不正の目的をもって役務の広告等にその役務の質、内容、用途又は数量について誤認させるような表示をする行為等が禁止されている(同項第1号)ほか、虚偽の表示をする行為が禁止されており(同項第5号 、例えば、上記4(1)の虚偽の内容に当たるものをホームページに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

医療法には引っかからなくても他の法には引っかかるかもしれないので注意が必要でした。各法のざっくりとした内容をまとめます。

①薬事法

薬や機器に関する効能、効果、性能などの虚偽広告・誇大広告はNGです。承認前の薬や機器は名前だけでもNG。

国に承認されていない機器は名前だけでもダメなんですね。
これ、結構引っかかってたクリニックや病院多いような…
あとポイントは「誇大広告」もNGな点。

②健康増進法

食品の効果について、著しく事実と異なる表示や誤認させるような表示はNGです。

③ 不当景品類及び不当表示防止法

他と比較して明らかにこっちが有利と広告するのはNGです。

④不正競争防止法

説明が難しいので例を。
営業秘密や営業上のノウハウの盗用等の不正行為、コピー商品、他人のパクリなど。医療だとあまり思い当たりません。

まとめ

以上、医療機関ホームページガイドラインについてまとめてみました。
この医療機関ホームページガイドラインで大事なのは趣旨に書いてあった以下文章。

「関係団体等による自主的な取組を促すものである。」

医療機関ホームページガイドラインは「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針」という名前の通り、あくまで「指針」なんです。指針とは辞書で調べると「物事を進めるうえでたよりとなるもの。参考となる基本的な方針。手引き。」「取るべき態度や進むべき方向を示す方針」と出てきます。
つまり、国からのお願いみたいなもので法律ではないという事。
医療機関ホームページガイドラインはそれを勘違いしないようにしないといけません。

次回こそ2018医療広告ガイドラインについて書きたいと思います。
といって全然たどり着きませんが笑

最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

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