急に涼しくなってきました。季節の変わり目は体調にご注意をm(_ _)m

【第3回】医療広告ガイドラインを読む|第1章から第3章

医療広告ガイドライン

それでは2018医療広告ガイドラインについて読んでいきたいと思います。
前の記事を読んでいない方は、下記よりどうぞ。

今までの流れをざっくりとまとめると以下です。

■昭和23年7月30日 医療法制定
医療法で決まってること以外は広告しちゃダメだよ。

■2007年3月30日 医療広告ガイドライン通知
医療法よりも規制を緩和して広告していいよ。ホームページは対象外だよ。

■2012年9月28日 医療機関ホームページガイドライン通知
ホームページはこのガイドラインに沿って情報を掲載してね。特に美容医療。お願い。。

前回は2018医療広告ガイドラインの趣旨から医療機関ホームページガイドラインに話が逸れて終わりましたので、また2018医療広告ガイドラインの趣旨から話を進めていきます。
今回はどこまで進められるのか。
それでは読んでいきたいと思います。

文献医療広告ガイドライン – 厚生労働省

第1 広告規制の趣旨

1 医療法の一部改正について
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告(以下「医療に関する広告」という。)については、患者等の利用者保護の観点から、医療法(昭和 23 年法律第 205 号。以下「法」という。)その他の規定により制限されてきたところであるが、医療機関のウェブサイトについては、原則として、規制対象とせず「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)について」(平成 24 年9月 28 日付け医政発 0928 第1号厚生労働省医政局長通知)により関係団体等による自主的な取組を促してきた。
しかしながら、美容医療に関する相談件数が増加する中、消費者委員会より、医療機関のウェブサイトに対する法的規制が必要である旨の建議(美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議(消費者委員会平成 27 年7月7日))がなされた。同建議を踏まえ、平成 29 年の通常国会で成立した医療法等の一部を改正する法律(平成 29 年法律第 57 号)により医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとした。
その際、医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に広告可能事項を限定することとした場合、詳細な診療内容など患者等が求める情報の円滑な提供が妨げられるおそれがあることから、一定の条件の下に広告可能事項の限定を解除することとしている。

美容医療ウェブサイトのトラブル多すぎ!もうウェブサイトも広告扱いにして虚偽広告や誇大広告は禁止するからね!

という感じです。
広告規制の趣旨で気になったのは3点。

虚偽又は誇大等の表示を禁止

まず一つ目が「虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象とする」という点。これは以前の記事でも書きましたが、「虚偽広告・誇大広告は許さん!」という国の強い意志が伝わってきます。
とにかく、虚偽広告と誇大広告だけは注意です。

医療法等の一部を改正

二つ目が「医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第57号)により医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし」という点。
つまり、医療法を改正したことによってウェブサイトが広告扱いになったということです。

広告可能事項の限定を解除

三つ目が「一定の条件の下に広告可能事項の限定を解除することとしている。」という点。
…どういう意味?
広告可能事項の限定解除については、その項目が出てきたらお話しします。

気になる点を3つ挙げましたが、2点目の「医療法等の一部を改正」が個人的に気になります。ということで、医療法の何がどう変わったのか、まずはそこから調べていきます。

医療法で一部改正された箇所

最初に見てみたのは、厚生労働省が出した以下の資料。

文献「医療法等の一部を改正する法律」の公布について(通知)(医政発0614第6号平成29年6月14日) – 厚生労働省

不思議なのが、この文章の中にどこにも「ホームページ」「ウェブサイト」の言葉がありません。なんで?と思って、衆議院の医療法等の一部を改正する法律のページも見てみます。

文献医療法等の一部を改正する法律 – 衆議院

医療法で変わったところが詳細に書いてあります。ただ読む気が失せる…
気になる方は見てみてください。5秒で閉じるような内容です笑

分からず調べてやっとたどり着いたのがこれ。

文献改正医療法の施行に伴う 省令・ガイドラインの策定について – 厚生労働省

これの2ページ目によると、

第六条の五
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。

と書いてあったのを以下のように改正し、ウェブサイトも広告の対象にしたということです。

何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以下単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならないものとすること。

国の偉い人が考えることはすごいですね。「広告」を「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」とすることで、ウェブサイトも広告扱いにしてしまうんですから!

これですっきりしたので、2018医療広告ガイドラインの話が進められます。引用長いので、文章苦手な方は引用下のまとめまで読み飛ばすことをお勧めします。それではいきます。

禁止される広告の基本的な考え方【第1-2-(2)】(1ページ目)

法第6条の5第1項の規定により、内容が虚偽にわたる広告は、患者等に著しく事実に相違する情報を与えること等により、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けるおそれがあることから、罰則付きで禁じられている。
同様の観点から、法第6条の5第2項の規定及び医療法施行規則(昭和 23 年厚生省令第 50 号。以下「省令」という。)第1条の9により、次の広告は禁止されている。

(ⅰ) 比較優良広告
(ⅱ) 誇大広告
(ⅲ) 公序良俗に反する内容の広告
(ⅳ) 患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告
(ⅴ) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告

また、(3)によって広告可能事項が限定される場合、広告可能とされた事項以外は、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も広告をしてはならないこととされている。
さらに、医薬品、医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律第 145 号。以下「医薬品医療機器等法」という。)等の他法令やそれら法令に関連する広告の指針に抵触する内容について広告しないことは当然のことであり、それらの他法令等による広告規制の趣旨に反する広告についても、行わないこととする。
また、品位を損ねる内容の広告等、医療に関する広告としてふさわしくないものについても、厳に慎むべきものである。

以下広告は禁止されています。

  • 虚偽広告
  • 比較優良広告
  • 誇大広告
  • 公序良俗に反する内容の広告
  • 治療等の内容又は効果に関する体験談の広告
  • 治療等の内容又は効果に関する治療前後の広告

気になるのが患者の体験談。「治療等の内容又は効果に関する体験談の広告」とあります。ということは、治療とは関係ない体験談はいいんでしょうかね?
例えば「綺麗なクリニックだったので落ち着いて診察を受けることができました。」とか「受付の対応が良かったのでまた来たいと思います。」など。
これについては、後に出てくる患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談【第3-1-(5)】の項目で、詳しく説明したいと思います。

広告の定義【第2-1】(2ページ目)

法第2章第2節「医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告」の規定による規制の対象となる医療に関する広告の該当性については、次の①及び②のいずれの要件も満たす場合に、広告に該当するものと判断されたい。
① 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
② 医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

「誘引性」と「特定性」を両方満たすものが広告の定義です。2007医療広告ガイドラインでは「③一般人が認知できる状態にあること(認知性)」があったんですがなくなりました。

暗示的又は間接的な表現の扱い【第2-3】(3~4ページ目)

医療に関する広告については、直接的に表現しているものだけではなく、当該情報物を全体でみた場合に、暗示的や間接的に医療に関する広告であると一般人が認識し得るものも含まれる。このため、例えば、次のようものは、医療に関する広告に該当するので、広告可能とされていない事項や虚偽・誇大広告等に該当する場合には、認められないものである。

ア 名称又はキャッチフレーズにより表示するもの
【具体例】
① アンチエイジングクリニック又は(単に)アンチエイジング
アンチエイジングは診療科名として認められておらず、また、公的医療保険の対象や医薬品医療機器等法上の承認を得た医薬品等による診療の内容ではなく、広告としては認められない。

② 最高の医療の提供を約束!
「最高」は最上級の比較表現であり、認められない。

イ 写真、イラスト、絵文字によるもの(例)
① 病院の建物の写真
当該病院の写真であれば、広告可能である(法第6条の5第3項第7号)が、他の病院の写真は認められない。

② 病人が回復して元気になる姿のイラスト
効果に関する事項は広告可能な事項ではなく、また、回復を保障すると誤認を与えるおそれがあり、誇大広告に該当するので、認められない。

ウ 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、体験談などを引用又は掲載することによるもの
【具体例】
① 新聞が特集した治療法の記事を引用するもの
法第6条の5第3項第 12 号で認められた「治療の内容」の範囲であり、改善率等の広告が認められていない事項が含まれていない場合には、引用可能である。

② 雑誌や新聞で紹介された旨の記載
自らの医療機関や勤務する医師等が新聞や雑誌等で紹介された旨は、広告可能な事項ではないので、広告は認められない。

③ 専門家の談話を引用するもの
専門家の談話は、その内容が保障されたものと著しい誤認を患者等に与えるおそれがあるものであり、広告可能な事項ではない。また、医薬品医療機器等法上の未承認医薬品を使用した治療の内容も、広告可能な事項ではなく、広告は認められない。

エ 病院等のウェブサイトのURLやEメールアドレス等によるもの
【具体例】
① www.gannkieru.ne.jp
ガン消える(gannkieru)とあり、癌が治癒することを暗示している。治療の効果に関することは、広告可能な事項ではなく、また、治療を保障している誇大広告にも該当し得るものであり、認められない。

② nolhospi@xxx.or.jp
「nolhospi」の文字は、「No.1Hospital」を連想させ、日本一の病院である旨を暗示している。「日本一」等は、比較優良広告に該当するものであり、認められない。

認められない暗示的又は間接的な表現は以下。

  • アンチエイジング
  • 最高
  • 他の病院の写真
  • 病人が回復して元気になる姿のイラスト
  • 雑誌や新聞で紹介された旨の記載
  • 専門家の談話の引用
  • gannkieru、nolhospiなどのドメインやメールアドレス

以下の表現は認められているそう。

  • 新聞が特集した治療法の記事を引用

ただ、これには条件が付いていて「改善率等の広告が認められていない事項が含まれていない場合」と書いてあります。ネットで調べてみたんですが、出てこない。どういう意味なんでしょうね?改善率とあるので、その治療法で〇%の人が治ったとかそういう事でしょうか。

広告が可能とされていない事項の広告【第3-1-(1)】(6ページ目)

法第6条の5第3項に「次に掲げる事項以外の広告がされても医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合を除いては、次に掲げる事項以外の広告をしてはならない。」と規定されているように、医療に関する広告は、患者の治療選択等に資する情報として、法又は広告告示により広告可能とされた事項を除いては、原則、広告が禁じられているものであること。

【具体例】
・ 専門外来
→専門外来については、広告が可能な診療科名と誤認を与える事項であり、広告可能な事項ではない。(ただし、保険診療や健康診査等の広告可能な範囲であれば、例えば、「糖尿病」、「花粉症」、「乳腺検査」等の特定の治療や検査を外来の患者に実施する旨の広告は可能であり、専門外来に相当する内容を一律に禁止するものではない。)

・ 死亡率、術後生存率等
→医療の提供の結果としては、医療機能情報提供制度において報告が義務付けられた事項以外は、対象となった患者の状態等による影響も大きく、適切な選択に資する情報であるとの評価がなされる段階にはないことから、広告可能な事項ではない。

・ 未承認医薬品(海外の医薬品やいわゆる健康食品等)による治療の内容
→治療の方法については、広告告示で認められた保険診療で可能なものや医薬品医療機器等法で承認された医薬品による治療等に限定されており、未承認医薬品による治療は、広告可能な事項ではない。

認められない広告は以下。

  • 死亡率、術後生存率
  • 未承認医薬品

条件付きで認められる広告は以下。

  • 専門外来

専門外来は保険診療や健康診査等の広告可能な範囲で広告可能です。「糖尿病専門外来」「花粉症専門外来」「乳腺検査専門外来」などはOKということ?
と思っていたらどうやら違うそうです。詳しくは医療広告ガイドラインQ&Aでお話しします。

内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)【第3-1-(2)】(6~7ページ目)

法第6条の5第1項に規定する「虚偽の広告をしてはならない」とは、広告に示された内容が虚偽である場合、患者等に著しく事実に相違する情報を与え、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けるおそれがあることから、罰則付きで禁じられているものであること。

【具体例】
・ 絶対安全な手術です!
・ 「どんなに難しい症例でも必ず成功します」
→絶対安全な手術等は、医学上あり得ないので、虚偽広告として扱うこと。

・ 厚生労働省の認可した○○専門医
→専門医の資格認定は、学会が実施するものであり、厚生労働省が認可した資格ではない。

・ 加工・修正した術前術後の写真等の掲載
→あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、虚偽広告として取り扱うべきであること。

・ 「一日で全ての治療が終了します」(治療後の定期的な処置等が必要な場合)
→治療後の定期的な処置等が必要であるにもかかわらず、全ての治療が一日で終了するといった内容の表現を掲載している場合には、内容が虚偽広告として取り扱うべきであること。

・ 「○%の満足度」(根拠・調査方法の提示がないもの)
データの根拠(具体的な調査の方法等)を明確にせず、データの結果と考えられるもののみを示すものについては、虚偽広告として取り扱うべきであること。
また、非常に限られた患者等を対象に実施された調査や謝金を支払うことにより意図的に誘導された調査の結果など、公正なデータといえないものについても、虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。

・ 「当院は、○○研究所を併設しています」(研究の実態がないもの)
法第 42 条の規定に基づき、当該医療機関を開設する医療法人の定款等において同条第2号に掲げる医学又は歯学に関する研究所の設置を行う旨の定めがある場合等においても、研究している実態がない場合には、虚偽広告として取り扱うべきであること。

認められない虚偽広告は以下。

  • 絶対安全
  • 必ず成功
  • 厚生労働省認可の○○専門医
  • 加工・修正した術前術後の写真

条件付きで認められる広告は以下。

  • 一日で全ての治療が終了
  • ○%の満足度
  • ○○研究所を併設

「一日で全ての治療が終了」は治療後の定期的な処置が必要な場合は認められない、「○%の満足度」はデータの根拠を示さないと認められない、「○○研究所を併設」は研究実態がないと認められないと、どれも条件が厳しいです。

他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告) 【第3-1-(3)】(7ページ目)

法第6条の5第2項第1号に規定する「他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告をしないこと」とは、特定又は不特定の他の医療機関(複数の場合を含む。)と自らを比較の対象とし、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、自らの病院等が他の医療機関よりも優良である旨を広告することを意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。
これは、事実であったとしても、優秀性について、著しく誤認を与えるおそれがあるために禁止されるものであり、例えば、「日本一」、「№1」、「最高」等の最上級の表現その他優秀性について著しく誤認を与える表現は、客観的な事実であったとしても、禁止される表現に該当すること。
ただし、最上級を意味する表現その他優秀性について著しく誤認を与える表現を除き、必ずしも客観的な事実の記載を妨げるものではないが、求められれば内容に係る裏付けとなる合理的な根拠を示し、客観的に実証できる必要がある。調査結果等の引用による広告については、出典、調査の実施主体、調査の範囲、実施時期等を併記する必要がある。
また、著名人との関連性を強調するなど、患者等に対して他の医療機関より著しく優れているとの誤認を与えるおそれがある表現は、患者等を不当に誘引するおそれがあることから、比較優良広告として取り扱うこと。

【具体例】
・ 肝臓がんの治療では、日本有数の実績を有する病院です。
・ 当院は県内一の医師数を誇ります。
・ 本グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しております。
・ 「芸能プロダクションと提携しています」
・ 「著名人も○○医師を推薦しています」
・ 著名人も当院で治療を受けております。

認められない比較優良広告は以下。

  • 日本一
  • №1
  • 最高
  • 芸能プロダクションと提携
  • 著名人が推薦
  • 著名人も当院で治療

条件付きで認められる比較優良広告は以下。

  • 日本有数の実績
  • 県内一

ただし、条件が厳しいものとなっています。

ただし、最上級を意味する表現その他優秀性について著しく誤認を与える表現を除き、必ずしも客観的な事実の記載を妨げるものではないが、求められれば内容に係る裏付けとなる合理的な根拠を示し、客観的に実証できる必要がある。調査結果等の引用による広告については、出典、調査の実施主体、調査の範囲、実施時期等を併記する必要がある。

「日本有数の実績」や「県内一」などを広告する場合、出典、調査の実施主体、調査の範囲、実施時期などを併記する必要があります。

誇大な広告(誇大広告)【第3-1-(4)】(7~9ページ目)

法第6条の5第2項第2号に規定する「誇大な広告」とは、必ずしも虚偽ではないが、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させる広告を意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。
「人を誤認させる」とは、一般人が広告内容から認識する「印象」や「期待感」と実際の内容に相違があることを常識的判断として言えれば足り、誤認することを証明したり、実際に誤認したという結果までは必要としないこと。

【具体例】
・ 知事の許可を取得した病院です!(「許可」を強調表示する事例)
→病院が都道府県知事の許可を得て開設することは、法における義務であり当然のことであるが、知事の許可を得たことをことさらに強調して広告し、あたかも特別な許可を得た病院であるかの誤認を与える場合には、誇大広告として扱うこと。

・ 医師数○名(○年○月現在)
→示された年月の時点では、常勤換算で○名であることが事実であったが、その後の状況の変化により、医師数が大きく減少した場合には、誇大広告として扱うこと。(この場合、広告物における文字サイズ等の強調の程度や医療機関の規模等を総合的に勘案し、不当に患者を誘引するおそれがあるかを判断するべきであり、一律に何名の差をもって誇大広告と扱うかを示すことは困難であるが、少なくとも実態に即した人数に随時更新するよう指導するべきである。)

・ (美容外科の自由診療の際の費用として)顔面の○○術1カ所○○円
→例えば、当該費用について、大きく表示された値段は5カ所以上同時に実施したときの費用であり、1カ所のみの場合等には、倍近い費用がかかる場合等、小さな文字で注釈が付されていたとしても、当該広告物からは注釈を見落とすものと常識的判断から認識できる場合には、誇大広告として扱うべきである。

・ 「○○学会認定医」(活動実態のない団体による認定)
・ 「○○協会認定施設」(活動実態のない団体による認定)
→客観的かつ公正な一定の活動実績が確認される団体によるものを除き、当該医療機関関係者自身が実質上運営している団体や活動実態のない団体などによる資格認定や施設認定を受けた旨については、国民・患者を不当に誘引するおそれがあり、誇大広告として扱うべきであること。

・ 「○○センター」(医療機関の名称又は医療機関の名称と併記して掲載される名称)
→医療機関の名称として、又は医療機関の名称と併せて、「○○センター」と掲載することについては、
- 法令の規定又は国の定める事業を実施する病院又は診療所であるものとして、救命救急センター、休日夜間急患センター、総合周産期母子医療センター等、一定の医療を担う医療機関である場合
又は
- 当該医療機関が当該診療について、地域における中核的な機能や役割を担っていると都道府県等が認める場合
に限るものとし、それ以外の場合については、誇大広告として取り扱うべきであること。
ただし、当該医療機関が提供する医療の一部を担当する部門名として患者向けに院内掲示しているものをそのままウェブサイトに掲載している場合等には、原則として、内容が誇大なものとして扱わないこと。

・ 手術や処置等の効果又は有効性を強調するもの
→撮影条件や被写体の状態を変えるなどして撮影した術前術後の写真等をウェブサイトに掲載し、その効果又は有効性を強調することは、国民や患者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあることから、そうした写真等については誇大広告として扱うべきである。
また、あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、上記(2)の虚偽広告に該当する。(再掲)

・ 比較的安全な手術です。
→何と比較して安全であるか不明であり、誇大広告として扱うべきであること。

・ 伝聞や科学的根拠に乏しい情報の引用
→医学的・科学的な根拠に乏しい文献やテレビの健康番組での紹介による治療や生活改善法等の紹介は、それらだけをもっては客観的な事実であるとは証明できないため、誇大広告として取り扱うべきであること。

・ 「○○の症状のある二人に一人が○○のリスクがあります」
・ 「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください」
→科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず特定の症状に関するリスクを強調することにより、医療機関への受診を誘導するものは、誇大広告として取り扱うべきであること。

・ 「○○手術は効果が高く、おすすめです。」
→科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず特定の手術や処置等の有効性を強調することにより、有効性が高いと称する手術等の実施へ誘導するものは、誇大広告として取り扱うべきであること。

・ 「○○手術は効果が乏しく、リスクも高いので、新たに開発された○○手術をおすすめします」
→科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず特定の手術や処置等のリスクを強調することにより、リスクが高いと称する手術等以外のものへ誘導するものは、誇大広告として取り扱うべきであること。

認められない誇大広告は以下。

  • 知事の許可を取得した病院
  • 大きく表示された値段と小さな注釈
  • 活動実態のない団体による認定医や認定施設
  • ○○センター
  • 手術や処置等の効果又は有効性を強調
  • 安全な手術
  • テレビでの紹介による治療や生活改善法等の紹介

この中で一番引っかかってるクリニックが多そうなのが「○○センター」。歯医者なんかは「インプラントセンター」と書いてるホームページ多いと思います。

また、誇大広告となるかもしれないのが以下。

  • 医師数○名
  • 二人に一人が○○のリスク
  • こんな症状が出ていれば命に関わる
  • ○○手術は効果が高い

「医師数〇名」は不当に患者を誘引するおそれがあるかが重要なので、ウェブサイトを全然更新していない場合などは含まれないでしょうね。
「二人に一人が○○のリスク」「こんな症状が出ていれば命に関わる」「○○手術は効果が高い」は科学的な根拠を示さないといけないので、表現を使わない方がいいでしょう。

患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談【第3-1-(5)】(9ページ目)

省令第1条の9第1号に規定する「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告をしてはならないこと」とは、医療機関が、治療等の内容又は効果に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該医療機関への誘引を目的として紹介することを意味するものであるが、こうした体験談については、個々の患者の状態等により当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療に関する広告としては認められないものであること。
これは、患者の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない。
なお、個人が運営するウェブサイト、SNS の個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しないこと。

最初の方でお話しした治療内容や治療効果以外の患者の体験談は広告OKかどうかですが、結論から言うと広告可能です。重要なのは以下。

省令第1条の9第1号に規定する「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告をしてはならないこと」

もし、治療内容や治療効果以外の体験談もダメであれば、「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、体験談の広告をしてはならないこと」や「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、当該医療機関に関する体験談の広告をしてはならないこと」などと規定するはずだからです。
医療広告ガイドラインには「これは、患者の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない。」と書いてあるので広告できないように思えますが、医療法施行規則等の一部を改正する省令を見るとそんなことは書いてありません。

文献医療法施行規則等の一部を改正する省令案 – 厚生労働省

治療内容や効果以外の体験談、体験談というか今風に言うと「行ってみた」的な感じでしょうか。自分は体験談否定派ですが、事実としてまとめておきます。

治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等【第3-1-(6)】(9ページ目)

省令第1条の9第2号に規定する「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等を広告をしてはならないこと」とは、いわゆるビフォーアフター写真等を意味するものであるが、個々の患者の状態等により当然に治療等の結果は異なるものであることを踏まえ、誤認させるおそれがある写真等については医療に関する広告としては認められないものであること。
また、術前又は術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明を付した場合についてはこれに当たらないものであること。
さらに、当該情報の掲載場所については、患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用しないこと。
なお、治療効果に関する事項は広告可能事項ではないため、第4に定める要件を満たした限定解除の対象でない場合については、術前術後の写真等については広告できない。

【具体例】
・ 術前又は術後(手術以外の処置等を含む。)の写真やイラストのみを示し、説明が不十分なもの

ここで押さえておきたいポイントは2つ。

  • 術前または術後の写真は治療内容だけでなく「治療効果」にも該当するため広告できない
  • 治療内容、費用、リスク、副作用などの詳細な説明を記載すれば、術前または術後の写真を広告できる

いわゆる症例画像やビフォーアフター画像についての説明は今後いくつか出てきます。その時にここを押さえておかないと混同します。この2点だけはしっかりと覚えておきましょう。
ちなみに術中写真は?なんて考える人もいると思いますが、術前または術後の写真と同じ扱いと思います笑

公序良俗に反する内容の広告【第3-1-(7)】(9ページ目)

法第6条の5第2項第3号に規定する「公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告をしないこと」とは、わいせつ若しくは残虐な図画や映像又は差別を助長する表現等を使用した広告など、公序良俗に反する内容の広告を意味するものであり、医療に関する広告としては認められないこと。

公序良俗に反する内容の広告は認められないという事です。当たり前なので特にいう事はありません。

その他【第3-1-(8)】(9~11ページ目)

品位を損ねる内容の広告、他法令又は他法令に関連する広告ガイドラインで禁止される内容の広告は、医療に関する広告として適切ではなく、厳に慎むべきものであること。

ア 品位を損ねる内容の広告
医療に関する広告は、患者や地域住民等が広告内容を適切に理解し、治療等の選択に資するよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならないものであることから、医療機関や医療の内容について品位を損ねる、あるいはそのおそれがある広告は行わないものとすること。

① 費用を強調した広告
【具体例】
・ 今なら○円でキャンペーン実施中!
・ 「ただいまキャンペーンを実施中」
・ 「期間限定で○○療法を 50%オフで提供しています」
・ 「○○100,000 円 50,000 円」
・ 「○○治療し放題プラン」

② 提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引
提供される医療の内容とは直接関係のない情報を強調し、国民・患者を誤認させ、不当に国民・患者を誘引する内容については、広告は行わないものとすること。

【具体例】
・ 「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント」
物品を贈呈する旨等を誇張することは、提供される医療の内容とは直接関係のない事項として取り扱うべきであること。

③ ふざけたもの、ドタバタ的な表現による広告

イ 他法令又は他法令に関する広告ガイドラインで禁止される内容の広告
他法令に抵触する広告を行わないことは当然として、他法令に関する広告ガイドラインも遵守すること。
また、広告は通常、医療機関が自らの意思により、患者等の選択に資するために実施するものであり、例えば、医薬品又は医療機器の販売会社等からの依頼により、金銭の授与等の便宜を受けて、特定の疾病を治療できる旨等について広告することは、厳に慎むべきであること。

① 医薬品医療機器等法
例えば、医薬品医療機器等法第 66 条第1項の規定により、医薬品・医療機器等の名称や、効能・効果、性能等に関する虚偽・誇大広告が禁止されている。また、同法第 68 条の規定により、承認前の医薬品・医療機器について、その名称や、効能・効果、性能等についての広告が禁止されており、例えば、そうした情報をウェブサイトに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

【具体例】
・ 医薬品「○○錠」を処方できます。
→医薬品の商品名は、医薬品医療機器等法の広告規制の趣旨に鑑み、広告を行わないこと。

・ 当院ではジェネリック医薬品を採用しております。
→医薬品が特定されないため、医薬品医療機器等法上の医薬品の広告には該当せず、医療の内容に関する事項として広告可能である。

・ AGA 治療薬を取り扱っております。
→医薬品が特定されないため、自由診療である旨と標準的な費用を併せて示してあれば、医薬品医療機器等法の承認を得た医薬品による治療の内容に関する事項として広告可能である。

② 健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)
例えば、健康増進法第 31 条第1項の規定により、何人も、食品として販売に供する物に関して、健康の保持増進の効果等について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をすることが禁止されており、例えば、そうした情報をウェブサイトに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

③ 景表法
例えば、景表法第5条の規定により、商品又は役務の品質等について、一般消費者に対し、実際のもの又は事実に相違して競争事業者のものよりも著しく優良であると示す表示又は取引条件について実際のもの又は競争事業者のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示等(以下「不当表示」という。)が禁止されており、例えば、不当表示に当たるものをウェブサイトに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

④ 不正競争防止法(平成5年法律第 47 号)
例えば、不正競争防止法第 21 条第2項の規定により、不正の目的をもって役務の広告等にその役務の質、内容、用途又は数量について誤認させるような表示をする行為等が禁止されている(同項第1号)ほか、虚偽の表示をする行為が禁止されており(同項第5号)、例えば、上記4(1)の虚偽の内容に当たるものをウェブサイトに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

その他広告で気を付けなければいけないのは以下。

  • 品位を損ねる内容の広告
  • キャンペーン実施中!
  • ○○療法50%OFF
  • ○○100,000円 50,000円
  • ○○治療し放題
  • 無料相談をされた方全員に○○をプレゼント

ここのポイントは「厳に慎むべきものである」という表現が使われている点です。weblio辞書によると、厳に慎むの意味は「禁を犯さないように厳しい態度をもって臨むこと、間違っても事を起こさないように厳重に行動を控えることなどを意味する表現。」です。つまり、絶対にしてはいけないという事になります。

その他、注意しなければいけない法令は以下。

① 医薬品医療機器等法

医薬品・医療機器の名称、効能・効果、性能などに関する虚偽・誇大広告が禁止。また、承認前の医薬品・医療機器の名称、効能・効果、性能などに関する広告が禁止。
注意すべきは「医薬品○○を処方」は名称が入っているため広告NG、「ジェネリック医薬品を採用」は名称が入っていないので広告OK。
もう一つ注意しなければいけないのが「AGA治療薬を取り扱っています。」。自由診療である事と費用を記載すれば広告可能ですが、例えば「AGA治療薬プロペシアを取り扱っています。」としたら、医薬品名が入っているため広告できないので注意しましょう。

この聞き慣れない医薬品医療機器等法ですが、正式名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。2014年11月25日に薬事法の大改正が行われた時に、薬事法から名称が変わりました
名称が変わった理由はざっくりと以下。

薬事法は今や、医薬品や医薬部外品、化粧品だけでなく、医療機器、再生医療等製品など、医療に用いられる広範な医療資材に関する法律であることを明確にするため、薬事法の名前を改称することとなったのです。

出典:やさしい医薬品医療機器等法 – じほう

もっと詳しく知りたい方は出典の「はじめに」だけでも読むと分かると思います。
この医薬品医療機器等法ですが、2018医療広告ガイドライン、また2018医療広告ガイドラインQ&Aでもかなり出てきます。以下2点だけはしっかりと押さえておきましょう。

  • 医薬品・医療機器の名称、効能・効果、性能などに関する虚偽・誇大広告が禁止
  • 承認前の医薬品・医療機器の名称、効能・効果、性能などに関する広告が禁止

② 健康増進法

食品とするもので著しく事実に相違する表示だったり誤認させるような表示は禁止されています。

③ 景表法

ざっくり言うと、他よりも良いと勘違いさせて患者に選択させない表示は禁止という事です。

④ 不正競争防止法

説明が難しいので例を。
営業秘密や営業上のノウハウの盗用等の不正行為、コピー商品、他人のパクリなど。医療だとあまり思い当たりません。

まとめ

今回は医療法の改正された箇所、2018医療広告ガイドラインの第1章から第3章までをまとめました。ちなみに、2018医療広告ガイドラインは第7章まであり、最後の届け出書式を除いて35ページあります。今は第3章の11ページ目の半分まで終了。
まだまだ先は長い…

最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

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