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【産科編】クリニックや病院選びで参考になる専門医資格について

ブログ

クリニックや病院選びで一つの参考となる専門医資格の第2回。今回は産科に関する資格について調べてみました。産科にした理由は好きな診療科目の一つだからです。

ここに記載されている情報は2019年3月に自分が調べた情報になります。日本専門医機構の関係で、認定医や専門医、指導医の申請資格、提出書類、試験内容など、制度の変更で変わる可能性があります。正しい情報は各学会のホームページをご覧いただきますよう、お願いします。

日本で一番大きな産科の学会と言えばもちろんこの学会でしょう。

日本産科婦人科学会

参考日本産科婦人科学会

日本産科婦人科学会は、産科学や婦人科学の進歩発展を図り、人類・社会の福祉に貢献することを目的とする学術団体です。1949年に日本婦人科学会と産科婦人科医学会が統合して発足しました。会員数は16,741名(2019年3月31日)です。

活動内容

活動内容は、学術活動、認定医や専門医制度の運営など、一般の人が関わる機会はほとんどなさそうに思えますが、目的及び事業の中に「産科婦人科の医療及び保健に関する社会一般への啓発並びに普及活動」というのがあり、全国で市民公開講座を行ったり、3月3日ひな祭りの前後を「女性の健康習慣」と称してセミナーを開催したりしています。興味関心のある人はぜひ参加してみてください。

参考イベント情報インデックス|公益社団法人 日本産科婦人科学会

資格

資格は全部で2つあります。

  • 専門医
  • 指導医

専門医

専門医は研修施設で3年以上の研修を受け、産婦人科の幅広い知識と高い技能、倫理性があり、専門医認定試験に合格した日本産科婦人科学会の会員です。専門医数は12,227人(平成24年8月)です。

申請資格

申請資格は以下です。

・2年間の新医師卒後臨床研修を修了
・専門研修施設で常勤として3年以上の産婦人科臨床研修を修了
・3年以上、学会の会員
・3年以上の専攻医研修期間内に、基幹施設での研修が6か月以上24か月以内で地域医療研修1か月以上あり、且つ専門研修指導医が常勤していない施設での研修は12か月以内

条件を満たすのはそれほど難しいという感じはしません。

書類審査(認定一次審査)

提出書類は以下です。

・専門医認定申請書
・履歴書
・研修記録
・症例レポート
・研修証明書
・申請者チェックリスト
・研修目標・自己評価表
・医師免許のコピー
・受験票
・論文

他の資格と同様、提出が大変なのは症例レポートでしょう。周産期、婦人科腫瘍、生殖・内分泌、女性ヘルスケアの4分野の各1症例について所見、治療法などをまとめなければいけません。また、研修記録の中に含まれる症例記録では、主治医として担当した症例の臨床経過を10例提出する必要があります。論文も筆頭著者として発表していなければいけません。気になる方は下記ページの認定申請書セット(Word)を見てください。

参考【学会専門医】新規認定申請|公益社団法人 日本産科婦人科学会

上記書類提出も大変そうですが、それ以上に大変と思ったのは経験すべき症例数です。分娩症例100~150例、そのうち帝王切開を執刀医で10~30例、また子宮内容除去術10例など、本当に大変な気がします。

試験(認定二次審査)

試験は筆記試験と面接試験です。筆記試験は180分で120問程度のマークシート、面接試験は20分程度で試験官を患者か家族と想定したロープレです。合格率は平成21~23年で90%、84%、85%とかなり高い水準です。

指導医

指導医ですが、実は学会のホームページには指導医に関する説明がありません。というより、一般向けに公開されていないという方が正しいでしょう。他の学会であれば、「産婦人科領域における業務を指導するための十分な能力うんぬんかんぬん~」ぐらいは一般向けに公開されていたりするのですがそれすらもありません。なので、ここでは東京医療センターのホームページにあった指導医マニュアルを参考に説明します。ちなみに指導医数は2,938人(令和元年10月1日)です。
※ここでは暫定指導医の説明は省略します。

文献指導医マニュアル

申請資格

申請資格は以下です。

・常勤産婦人科医として勤務していて、産婦人科専門医の更新履歴が1回以上
・専攻医指導要綱に沿って専攻医を指導できる
・指導医講習会を3回以上受講
・以下どちらかの条件を満たす産婦人科に関する論文2編以上
①筆頭著者の論文
②第二か最終共著者として専攻医を指導し、専攻医を筆頭著者として発表した論文

難しいのはやはり論文でしょう。筆頭著者の論文、または専攻医を筆頭著者として発表した論文2編以上が必要です。ちょっと気になったのが、査読制が敷かれていれば商業誌でもいいという点。他の学会は学会が出してる雑誌だったり英語のなんだか難しそうな雑誌じゃないとNGと書いてあるのが多かった印象なので、商業誌OKは意外です。まあでも査読制なら、商業誌であろうと学会誌であろうと難しいことに変わりはないんでしょうけれど。

※査読とは、研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証のこと。研究者が学術雑誌に投稿した論文が掲載される前に行われる。研究助成団体に研究費を申請する際のそれも指すことがある。審査とも呼ばれることがある(Wikiより)。

書類審査

提出書類は以下です。

・指導医資格申請書
・履歴書
・医師免許証のコピー
・論文のコピー
・指導医講習会・e-learning受講履歴か指導医講習会受講証

試験

試験はありません。委員会に認められば指導医です。合格率は不明です。

感想

とても大変な資格と思いました。日本産科婦人科学会の資格を持っている医師は産婦人科領域における幅広い知識と高い技能があると思いました。

患者お役立ちリンク

専門医検索:公益社団法人 日本産科婦人科学会
地域ごとの専門医の名前が分かります。ただ、どのクリニックや病院に在籍しているのか分からないため、患者としては不便です。

日本周産期・新生児医学会

参考日本周産期・新生児医学会

日本周産期・新生児医学会は、母体・胎児・新生児に関連する医療や医学水準の維持・向上を通じて、国民の福祉と医療の発展に貢献することを目的とする学術団体です。2004年に日本新生児学会と日本周産期学会が統合して発足しました。会員数は9,214名(2019年11月1日)です。

活動内容

活動内容は学術活動、認定医や専門医制度の運営、母体・胎児・新生児に関する医学の研究及び調査などです。「 国民に対する母体・胎児・新生児に関する医学情報の提供及び啓発」とあったので、日本産科婦人科学会のように一般向けにセミナーなどやっているのかと探してみましたが、どこにも見当たらず。残念です。。

資格

資格は全部で5つあります。

  • 周産期(新生児)専門医
  • 周産期(母体・胎児)専門医
  • 暫定指導医
  • 指導医
  • 認定外科医

周産期専門医は「新生児」と「母体・胎児」に分かれているのが特徴。では早速見ていきましょう。

と、その前にそもそも周産期って何?ってことで調べてみました。色々調べてみて、端的に分かりやすく説明したサイトがあったので引用します。

周産期医療とは産婦人科と小児科の融合

周産期とは妊娠22週から生後満7日未満までの期間を指し、周産期医療とはこの期間の母体、胎児、新生児を総合的に連続的に取り扱う医療です。従来、お産(=妊娠・出産・新生児の管理)に携わってきた診療科(主に産婦人科や小児科)が手を取り合い、総合的に全体的医療を提供します。このように周産期医療では妊娠している女性の体調管理や出産時の適切な措置をとるとともに、お腹の中の胎児、生まれてきた新生児の管理を徹底して、母子ともに安全なお産をするためのトータルケアを行なっています。

出典:周産期医療とは?-定義や意味、産婦人科との違いについて | メディカルノート

ざっくり言うと、妊婦からお母さんになるまでを連続的に取り扱うのが周産期医療ということです。
これが分かると周産期(新生児)専門医と周産期(母体・胎児)専門医の違いがなんとなく分かります。「周産期(新生児)専門医」は名前の通り新生児の専門医、つまり生まれたばかりの赤ちゃんの高い専門性があるので小児科寄り。「周産期(母体・胎児)専門医」は名前の通り、母体・胎児の専門医、つまり妊婦さん、そしてお腹の赤ちゃんの高い専門性があるので産科寄り、という感じです。

暫定指導医

まず専門医の説明をする前に暫定指導医の説明が必要です。なぜかというと、暫定指導医は特殊な資格であること、また専門医の応募資格で暫定指導医だけ応募条件が異なり、説明が煩雑になるためです。

暫定指導医ですが、ホームページのどこにも説明がありません。色々と調べて見つけたのが以下です。

問題点:医師の少ない地方の周産期施設では,現在暫定的においている指導医と,研修医を兼ねることができず,その医師が専門医を取得することができないことがある.基幹研修施設の無い地域でも専門医をとることができない.また暫定制度がいつまでも残っていることも問題であるが,なかなか地方では専門医をとって指導医となる人材が育成せず,地域による問題が大きい.

出典:周産期・新生児学会「周産期専門医」制度 | 一般社団法人関東連合産科婦人科学会

日本小児感染症学会では、小児感染症領域における認定指導医(専門医)の制度導入を検討し、この度、その概要がまとまりました。小児感染症の認定指導医(専門医)は、将来高度小児専門医療施設、大学病院などで小児感染症の専門家として勤務できる人材の育成を目標とし、認定された教育施設(群)での研修を必須とする予定です。
なお、教育施設(群)での研修にあたり、研修を指導する方が必須です。日本小児感染症学会では、その研修指導者を暫定指導医として認定し、指導にあたっていただくこととしました。

出典:暫定指導医募集のご案内 – 日本小児感染症学会

下は日本小児感染症学会の暫定指導医の引用ですが、関連性が高いため引用しました。
つまり、暫定指導医とは、医師の少ない地方などの教育施設で研修を指導する人が不足しているため、暫定的に指導医として認定された医師の事だと思います。日本小児感染症学会では書類提出ありますが、学会からのお願いに近いので書類提出は建前という気がします。あと、学会内でも暫定指導医のお願いなど色々とあったでしょうね。大変です。。

周産期(新生児)専門医

周産期(新生児)専門医は、健常または病的新生児に対する診療を行って助言することができる新生児医療の専門医で、専門医試験に合格した日本周産期・新生児医学会の会員です。専門医数は786人(2018年6月)です。

申請資格

申請資格は以下です。
※専攻医と暫定指導医の両方を満たす場合は応募資格が異なりますが、今回は説明を省略、専攻医のみで説明します。

・日本の医師免許を持っている
・日本産科婦人科学会か日本小児科学会の専門医
・3年以上、学会の会員で会費を完納している
・専門医資格取得後、施設で3年間の研修を終了、臨床経験がある
・筆頭著者として学術論文1編以上を査読制度のある雑誌に発表
・周産期・新生児学に関連した学会や研究会に参加、筆頭演者としての発表経験
・研修の届出と研修年次報告書の毎年提出を行っている
・周産期専門医資格認定試験に合格している

「研修を終了」は「研修を修了」の誤りと思いますが、周産期専門医制度規定にはそう書いてあるため、そのまま記載しました。

ポイントは日本小児科学会か日本産科婦人科学会いずれかの専門医であることが申請資格の一つである点です。つまり、既に別の学会が認めた専門医でなければ応募できません。ちなみに、日本小児科学会の専門医は厚生労働省の「医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格」の一つです。
日本周産期・新生児医学会の専門医資格は一つ上の資格と言えるでしょう。

書類審査

提出書類は以下です。

・周産期専門医資格認定試験受験出願書
・研修症例記録簿
・症例要約簿
・指導医による専攻医評価記録簿
・専攻医による指導医評価記録簿
・研修単位となる業績一覧
・推薦状
・誓約書
・医師免許証のコピー
・日本小児科学会か日本産科婦人科学会の専門医認定証のコピー
・受験料振込票のコピー

症例要約簿が一番大変そうです。気になる方は下記ページの専門医試験に必要な書類の出願書類(PDF)の39ページあたりを見てください。

参考新生児領域 申請書類のダウンロード

また、申請に必要な研修内容も大変なものです。

・ハイリスク分娩立会い20例以上
・健常新生児管理症例50例以上
・極低出生体重児受持数10例以上
・呼吸器疾患10例以上
・中枢神経疾患5例以上
・重症感染症3例以上
・循環器疾患5例以上
・新生児黄疸の管理5例以上
・血液疾患と凝固異常3例以上
・先天異常3例以上
・小児外科疾患5例以上
・超音波を用いた診断技術20例以上
・呼吸管理症例20例以上
・極低出生体重児のフォローアップ3例以上

試験

試験は筆答試験と口頭試験です。筆答試験は一般問題と長文問題の計110問で2時間、口頭試験は提出した症例要約を2人の試験官に質問されます。合格率は不明でした。

周産期(母体・胎児)専門医

周産期(母体・胎児)専門医は、正常または異常な妊娠・分娩、合併症妊娠に対する診療を行って助言することができる母体・胎児医療の専門医で、専門医試験に合格した日本周産期・新生児医学会の会員です。専門医数は926人(2018年6月)です。
※応募資格は周産期(新生児)専門医と同じなので省略します。

書類審査

提出書類は以下です。

・周産期専門医資格認定試験受験出願書
・研修症例記録簿
・症例要約簿
・指導医による専攻医評価記録簿
・専攻医による指導医評価記録簿
・研修単位となる業績一覧
・推薦状
・誓約書
・医師免許証のコピー
・日本小児科学会か日本産科婦人科学会の専門医認定証のコピー
・受験料振込票のコピー

あれ?と思われたかもいると思います。そうです。提出する書類は周産期(新生児)専門医と同じです。じゃあなにが違うの?ってことですが、異なるのは記載する内容です。
まず違うのが研修症例記録簿。周産期(新生児)専門医ではハイリスク分娩立会い、健常新生児管理、極低出生体重児など、胎児や新生児に関する症例を記載する必要がありましたが、周産期(母体・胎児)専門医では合併症妊娠の管理と治療、異常妊娠の診断と治療、胎児異常の診断と管理など、妊娠や出産に関する症例を記載する必要があります。
また、症例要約簿に記載する内容はざっくりと下記の疾患分類から選ばなければなりません。

・合併症妊娠の管理と治療
・異常妊娠の診断と治療
・胎児異常の診断と管理
・異常分娩の管理と処置
・産褥異常の管理と処置
・産科感染症の管理と処置
・産科麻酔(無痛分娩を含む)
・新生児の管理と処置
・ハイリスク妊婦・胎児に対する診断、管理、手術

試験

試験は周産期(新生児)専門医と同じく筆答試験と口頭試験です。筆答試験は一般問題と長文問題の計110問で2時間、口頭試験は提出した症例要約を2人の試験官に質問されるなど同じですが、問われる内容は違います。

周産期専門医(新生児)の資格認定試験の出題基準
総論:公衆衛生学、新生児学一般、周産期医学一般、母子関係などに関する一般的知識
各論:呼吸、循環、感染、神経、栄養、発達、フォローアップ、その他
その他:薬剤、外科、その他の科の疾患・手技に関してなど

周産期専門医(母体・胎児)の資格認定試験の出題基準
総論:公衆衛生学、周産期医学一般、特に母体と胎児に関する一般的知識、新生児学一般、母子関係などに関する一般的知識
各論:出生前診断を含めたカウンセリング、産科合併症・母体合併症・分娩合併症の診断・治療・母子のフォローアップなど、ハイリスク母体・胎児の管理について
その他:薬剤、周産期に関係する他科の疾患管理に関してなど

合格率は60.4%(平成23年)とかなり低く難しいです。

指導医

指導医は、専門医取得後5年以上の臨床経験があり、学会に指導医と認められた日本周産期・新生児医学会の会員です。専門医数は約370人(数えました。ただ暫定指導医も含まれてると思われます)。

応募資格

・周産期専門医資格を持っている
・周産期専門医取得後、5年以上の臨床経験
・周産期専門医制度の認定施設に勤務
・新生児学・母体・胎児医学関連の社会的活動(学会評議員・役員、公的委員会委員、地域の研究会・研修会などの役員など)

専門医取得後、5年以上の臨床経験が必要なので、周産期医療のプロフェッショナルです。あと特徴としては、周産期専門医制度の研修施設に勤務という点。なので、ほとんどの指導医は大学病院や医療センター勤務でクリニック等にはいません。

書類審査

提出書類は以下です。

・指導医申請書
・指導医履歴書
・日本小児科学会の専門医認定証のコピー(新生児領域の場合)
・日本産科婦人科学会の専門医認定証のコピー(母体・胎児領域の場合)

試験

試験はありません。委員会が認めれば指導医です。

認定外科医

認定外科医は、胎児や新生児に関する専門領域の専門医で、優れた知識と技能があると認められた日本周産期・新生児医学会の会員です。認定外科医数は約120人です(数えました)。

認定外科医制度ができた理由は、小児外科医などが周産期専門医を取得できないためです。
※ここからは推測になります。
どういうことかというと、まず周産期専門医の申請資格として「日本産科婦人科学会か日本小児科学会の専門医」が条件としてあります。日本産科婦人科学会の専門医を取得するためには3年以上の研修を受けなければいけませんが、そもそも外科としての専門領域を勉強してきたのに、外科から離れたら外科の専門性が損なわれてしまいます。とはいえ、周産期医療では異常のある赤ちゃんが生まれたりなどで小児専門の外科医は必要。なので、周産期専門医とは別の資格を考えたのだと思います。
ちなみに今現在対象となる科は小児外科、脳神経外科、心臓血管外科、泌尿器科、眼科、麻酔科です。今後増えていくようです。
申請資格

申請資格は以下です。

・日本の医師免許を持っている
・申請専門領域の専門医
・3年以上、学会の会員で会費を完納している
・日本周産期・新生児医学会認定基幹か認定施設に3年以上勤務
・申請時に申請料を納付
・サブスペシャルティ領域の専門医資格を取得している(サブスペシャルティ領域の専門医制度の場合)
・必要症例数と学術業績を満たしている

「サブスペシャルティ領域の専門医資格を取得している(サブスペシャルティ領域の専門医制度の場合)」とは、日本専門医機構が検討の対象にしているサブスペシャルティ領域の学会の専門医資格のことだと思います。

文献サブスペシャルティ領域の専門研修について – 厚生労働省(PDF)

提出書類

提出書類は以下です。

・申請書
・症例要約
・指導医推薦状
・取得単位集計表
・学術集会参加記録簿
・学術論文刊行記録簿
・日本国医師免許証のコピー
・サブスペシャルティ領域の専門医の認定証のコピー
・申請料の振込票のコピー

大変なのは症例要約でしょう。主訴、現病歴、診察所見、検査結果などを詳細に記載、出生前診断3例を含む約15症例を提出しなければなりません。

試験

試験はなく書類審査のみです。試験がない理由の一つとして考えられるのは、サブスペシャルティ領域ごとの試験問題を作るのが大変なためでしょう。

感想

申請資格がそもそも他の学会の専門医でなければならないという時点で難しい資格だと思いました。産まれたばかりの赤ちゃんで気になることがあるなら周産期(新生児)専門医、産科なら周産期(母体・胎児)専門医の資格を取得しているかどうかを参考にするとよいかもしれません。

患者お役立ちリンク

日本周産期・新生児医学会 新生児認定施設一覧
全国の新生児認定施設一覧です。周産期医療に関心のある方は、これらの施設から探すのが良いと思います。

日本周産期・新生児医学会 新生児専門医一覧
周産期(新生児)専門医の地域と医師名が分かります。ただ、どの病院や医療センターに在籍しているのかは分からないため、あまり参考になりません。

日本周産期・新生児医学会 母体・胎児指導医一覧
周産期(母体・胎児)専門医の地域と医師名が分かりますが、上記と同様、あまり参考になりません。

新生児蘇生法(NCPR)普及事業(日本周産期・新生児医学会)

参考NCPR:新生児蘇生法普及事業

新生児蘇生法(NCPR)普及事業は厚生労働省の「医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格名等について」に該当する資格ではありませんが、とても重要な事業であり、有名な大学病院や医療センターの医師が多く受講している資格なので紹介します。

新生児蘇生法(NCPR)普及事業は「すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制」の確立を目指し、2007年に開始された事業です。運営は日本周産期・新生児医学会の新生児蘇生法委員会です。事業なので会員とかはありません。今までの受講者数は約16万人(2020年1月末)です。

活動内容

主な活動は新生児に対する心肺蘇生法の講習会の開催です。

余談ですが、日本周産期・新生児医学会の説明のところで一般向けにセミナーやっていないと話しましたが、NCPRのトップページに「周産期学シンポジウム」のバナーあり、見てみると学生は無料でシンポジウムに参加できるようです。開催元は日本周産期・新生児医学会。なんだよ、一般ではないけれどやってるじゃん…ちなみに、日本周産期・新生児医学会のトピックスには掲載されていません。これまたなぜ…

コース

コースは全部で5つありますが、コースの説明をする前に、まず講習会の種類と説明が必要です。講習会は2つです。

主催講習会

主催講習会は、日本周産期・新生児医学会の新生児蘇生法委員会が主催する講習会です。開催場所は「トレーニングサイト」と呼ばれるその地区におけるNCPRの中心的な施設、学術集会、その他特別会場などです。開催しているコースはIコースとFコースの2つです。

  • 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター養成講習会(Iコース)
  • フォローアップコース(Fコース)

公認講習会

公認講習会は、主に認定を受けたインストラクター資格者が主催する講習会です。開催場所は主催者が決めるので全国各地色んな場所、開催しているコースはAコース、Bコース、Sコースの3つです。

  • 新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)
  • 新生児蘇生法「一次」コース(Bコース)
  • スキルアップコース(Sコース)

このNCPRのサイトの説明、とっても分かりづらい!ホームページを見ても情報がばらばらだし、コース名も「専門コース(Aコース)」「専門コース(A認定)」「Aコース 新生児蘇生法「専門」コース」など表現が統一されてなく、理解するまでに時間が掛かりました。もっと分かりやすくした方がいいじゃないでしょうか…
と、文句はこれぐらいにして笑、まず公認講習会の3つのコースから説明します。

新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)

Aコースは、主に周産期医療機関の医師・看護師・助産師・救急救命士を対象に、気管挿管、薬物投与を含めた「臨床知識編」「実技編」で構成される高度な新生児蘇生法を習得するコースです。講習時間は講義と実習をあわせて標準5時間です。

試験

新生児蘇生法委員会規定施行細則に試験の詳細が書いてなかったので、ネットで調べた情報になりますが、試験は講習後に行われるポストテストです。試験時間は15分、25問のうち20問正解(80%)できれば合格です。講習前にプレテストもありますが、合否に関係はなさそうです。合格率は97.1%(2008年)です。

新生児蘇生法「一次」コース(Bコース)

Bコースは、主に一般の医師・看護師・助産師・初期研修医・救急救命士・医学生・看護及び助産学生を対象に、気管挿管、薬物投与を除く「臨床知識編」「実技編」で構成される基本的な新生児蘇生法を取得するコースです。講習時間は講義と実習をあわせて標準3時間です。

試験

新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)と同様なので省略します。合格率は94.7%(2008年)です。

スキルアップコース(Sコース)

Sコースは、AコースかBコースを受講し、修了認定した人が受講できるコースです。「蘇生技術の質の維持」を目的としたコースで、講習は「講義」「手技実習」「シナリオ実習」で構成されてますが、講義は短く、手技と実習に多くの時間を使います。講習時間は標準3時間です。

試験

継続学習支援の一環なので試験はなく、認定等もありません。

新生児蘇生法「一次」コースインストラクター(Jインストラクター認定)

Jインストラクター認定は講習会ではないのですが、ちょっと特殊なので説明します。Jインストラクターは、Aコース修了認定を受けた人が目指せる修了認定です。AコースかBコースのインストラクター補助を1回経験して、その講習会のインストラクターから推薦を受けるとJインストラクター認定を得ることができます。

Jインストラクターができること

Jインストラクターになると、Bコースのインストラクターができるようになります。Bコースは気管挿管、薬物投与を除く基本的な新生児蘇生法を取得するコース。それのインストラクターができるということは、Bコースの正しい知識と技術があると言っていいでしょう。

続いて、主催講習会の2つコースを紹介します。

新生児蘇生法「専門」コースインストラクター養成講習会(Iコース)

Iコースは、その名の通り、「専門」コースインストラクター(Iインストラクター認定)を養成する講習会です。インストラクターとして講習会を開催するための知識や実技実習に関する指導法を習得します。習得すれば、全ての公認講習会を指導することができます。
受講資格があり、以下全て満たしている必要があります。

・新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)修了認定者
・最新のガイドラインを履修済
・公認講習会でインストラクター補助実績が2回以上(1回はAコース)
・インストラクターの推薦

試験

試験は筆記試験のみで、試験内容や試験時間などは分かりませんでした。合格率は98.7%(2008年)です。

フォローアップコース(Fコース)

Fコースは、インストラクターとしてのスキル維持を目的とした講習会です。また、インストラクター同士の相互学習の場であり、ガイドライン改訂時・制度改革時などの情報共有の場でもあります。Jインストラクター、Iインストラクターどちらも参加できますが、開催ごとに対象が異なります。

試験

インストラクターとしてのスキル維持や情報共有の場なので試験はなく、また認定等もありません。

感想

資格ではないですが、すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うようにするための事業というのはとても良いものですよね。NCPRの講習を受けた医師、看護師、助産師がいたらどれだけ心強く、そして安心できるかと思います。
また、受講した人が今度はインストラクターになり、その受講者がインストラクターになり、と輪が広がっていくのもステキだと思います。
まとめておくと、資格と言えるのは以下4つです。

  • 新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)
  • 新生児蘇生法「一次」コース(Bコース)
  • 新生児蘇生法「一次」コースインストラクター(Jインストラクター認定)
  • 新生児蘇生法「専門」コースインストラクター(Iインストラクター認定)

規模にもよりますが、Aコース、Bコース、Jインストラクター認定、Iインストラクター認定のスタッフ在籍は産科選びの一つの参考になるかなと思います。

日本生殖医学会

参考日本生殖医学会

日本生殖医学会は、1956年に設立された、人類、家畜、動物の生殖に関する研究について知識の交換や情報の提供などを行い、学術の発展と人類の福祉に貢献することを目的とする学術団体です。会員数は5,392名(2019年4月1日)です。

活動内容

主な活動内容は研究発表会や学術大会の開催、資格制度の運営などです。事業内容に「生殖医療及び保健に関する市民公開講座の開催」とあったので調べてみたところ、2019年11月9日に神戸商工会議所で市民公開講座(参加費は無料)を開催していました。

資格

資格は全部で2つあります。

  • 生殖医療専門医
  • 生殖医療コーディネーター

生殖医療専門医

生殖医療専門医は生殖医療の広い知識や高い技能、倫理性があり、3年間の研修を修了し、専門医認定試験に合格した日本生殖医学会の会員です。生殖医療専門医数は785人(2019年4月1日)です。

申請資格

申請資格は以下です。

・日本の医師免許を持っている
・研修開始申請時から日本産科婦人科学会の専門医か日本泌尿器科学会の専門医
・研修開始申請時から2年以上、学会の会員

特徴的なのが「研修開始新申請時から」とある点。つまり、研修開始申請時に日本産科婦人科学会か日本泌尿器科学会の専門医に認定されていないとダメな訳で、一つ上の資格と言えます。

書類審査

提出書類は以下です。

・生殖医療専門医認定試験申請書
・研修証明書
・症例レポート
・生殖医療従事者講習会の参加証明書
・学術講演会の出席証明書
・診療実績一覧(任意提出)
・医師免許のコピー
・日本産科婦人科学会か日本泌尿器科学会の専門医認定証のコピー
・申請書類受領ハガキ
・以下、いずれかを満たす
①生殖医学に関する学位内容証明書
②研修開始以前に筆頭著者として査読のある医学雑誌に生殖医学に関する論文を発表
③研修期間中に筆頭演者として日本生殖医学会・学術講演会で発表と、筆頭著者として査読のある医学雑誌に生殖医学に関する論文を発表

やはり大変なのは症例レポートでしょう。研修中に経験した男性不妊・女性不妊・不育症・生殖遺伝症例などの一般不妊症例の中から5症例、また体外受精か顕微授精症例の中から5症例記載する必要があります。

試験

試験は筆記試験と口頭試験です。筆記試験は全50問のマークシート方式、口頭試験は3名の試験官から倫理、技術、知識などを15分程度問われます。合格率は86.5%(平成23年)とかなり高いです。

生殖医療コーディネーター

生殖医療コーディネーターは生殖医療や看護の広い知識や高い技能、倫理性があり、日本看護協会の不妊症看護認定看護師か母性看護専門看護師であり、日本生殖医学会の会員です。生殖医療コーディネーター数は不明でした。

申請資格

申請資格は以下です。

・日本の看護師免許を持っている
・看護師免許取得から5年以上の実務経験と生殖医療に3年以上従事
・日本生殖医学会の会員
・日本看護協会の不妊症看護認定看護師か母性看護専門看護師
・生殖医療コーディネーターとして適切な知識、品位と倫理性を備えている

書類審査

提出書類は以下です。

・コーディネーター認定申請書
・日本看護協会の不妊症看護認定看護師認定証か母性看護専門看護師認定証のコピー
・看護師免許証のコピー

試験

試験はありません。書類審査が通れば合格です。

感想

まず生殖医療コーディネーターについてですが、この資格の意味、また専門性のある資格とは思えませんでした。なぜって、申請資格は不妊症看護認定看護師か母性看護専門看護師であることが重要、症例や研究レポートの提出不要、そして試験はなしって…
生殖医療専門医については、不妊に悩む夫婦にとって産婦人科選びの一つの参考になると感じました。

患者お役立ちリンク

一般社団法人日本生殖医学会|生殖医療専門医制度 – 認定者一覧
都道府県別で生殖医療専門医が在籍している医療機関が検索できます。ただリンクはないので、医院名で検索する必要があります。

日本看護協会

参考日本看護協会

日本看護協会は、保健師・助産師・看護師・准看護師など看護職の人が自主的に加入して運営している日本最大の看護職能団体です。1946年に日本産婆看護婦保健婦協会として設立されたのが始まりです。個人では解決できない看護を取り巻く課題を、組織の力で解決し、看護を発展させて社会に貢献することが目的です。会員数は約740,000名です。

活動内容

活動内容は医療安全対策、研修や学会の開催、認定看護師などの認定、看護職員の労働条件の向上、再就職支援など多岐にわたります。一般向けとしては、近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日である5月12日を「看護の日」、12日を含む週の日曜から土曜までを「看護週間」として全国でイベントを行っています。看護の日PR大使は中越典子、川島海荷、剛力彩芽など、毎年有名人ばかり。気になる方は下記サイトを見てください。

参考看護の日 | 日本看護協会

資格

資格は全部で3つあります。

  • 専門看護師
  • 認定看護師
  • 認定看護管理者

3つしかありませんが、それぞれに分野やレベルがあるので、それらを含めると相当な数があります。

専門看護師

専門看護師は看護師として5年以上の実務経験があり、特定の看護分野における熟練した看護技術と知識があり、専門看護師認定審査に合格した看護師です。専門看護師数は2,519人(2019年12月)です。

専門看護分野

13の専門看護分野に分かれています。

・がん看護
・精神看護
・地域看護
・老人看護
・小児看護
・母性看護
・慢性疾患看護
・急性・重症患者看護
・感染症看護
・家族支援
・在宅看護
・遺伝看護
・災害看護

申請資格

申請資格は以下です。

・日本の看護師免許を持っている
・日本看護系大学協議会の専門看護師教育課程基準で指定された内容の科目単位を取得している
・看護師として5年以上の実務研修経験、そのうち3年以上は専門看護分野の実務研修

専門看護師教育課程ですが、教育機関は107大学院337課程(2019年4月)あります。どんな教育機関があり、どんな研修なのか気になる方は下記ページの教育機関・課程一覧(PDF)を見てください。

参考資格認定制度 | 日本看護協会 » 専門看護師

また、5年以上の実務経験の内容は、専門看護分野の個人や家族への直接的な看護実践、コンサルテーション、実践の場での研究活動などです。とにかく看護実践を重要視しています。

書類審査

提出書類は以下です。

・専門看護師認定審査申請書
・履歴書
・看護師免許証のコピー
・専門看護分野の所定の履修単位自己申告書
・教育機関が発行する履修単位証明書
・勤務先の長が証明する勤務証明書
・看護実績報告書

特に難しそうな提出書類はありません。

試験

試験は筆記試験のみです。試験時間は120分、事例問題と総合問題それぞれ100点満点評価で論述式です。合格率は76.3%と、ちょっと低めです。

認定看護師

認定看護師は看護師として5年以上の実務経験があり、特定の看護分野における熟練した看護技術と知識があり、認定看護師認定審査に合格した看護師です。認定看護師数は21,048人(2019年11月)です。

専門看護師と認定看護師の違い
専門看護師と認定看護師、概要を見ても似たような事が書いてあって何が違うのか分からなかったので調べてみました。違いをざっくり分けると4つです。

・分野
専門看護師は13、認定看護師は19と分野の数が違います。また、認定看護師の方がより限定的な分野になります。
例えば、専門看護師の分野には「がん看護」がありますが、認定看護師の分野にはがんでも「がん放射線療法看護」「がん薬物療法看護」「乳がん看護」と3つに分かれています。他にも専門看護師の分野は「地域看護」「老人介護」「小児看護」など抽象的な名称の分野が多いですが、認定看護師の分野は「心不全看護」「糖尿病看護」「乳がん看護」など、具体的な症状名の分野が多いです。
※2020年度から教育開始される新たな認定看護分野を参考にしています。

・ケアする対象
専門看護師は患者とその家族にトータルケアを行うのに対し、認定看護師は患者に対して看護を行います。

・役割
専門看護師は「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」の6つが役割ですが、認定看護師は「実践・指導・相談」の3つが役割です。

・資格取得までの期間
専門看護師は専門看護師教育課程修了(2年)が必要なのに対し、認定看護師は800時間程度(約6か月)の認定看護師教育が必要です。
※特定行為研修を組み込んでいる認定看護師教育機関(B課程)を参考にしています。

ざっくり言うと、認定看護師は狭く深く、専門看護師は広く浅くという感じでしょうか。

参考専門看護師と認定看護師の違いとは?|京都大原記念病院求人サイト

認定分野

19の専門分野に分かれています。

・感染管理
・がん放射線療法看護
・がん薬物療法看護
・緩和ケア
・クリティカルケア
・呼吸器疾患看護
・在宅ケア
・手術看護
・小児プライマリケア
・新生児集中ケア
・心不全看護
・腎不全看護
・生殖看護
・摂食嚥下障害看護
・糖尿病看護
・乳がん看護
・認知症看護
・脳卒中看護
・皮膚・排泄ケア

上のポイントでも書きましたが、専門看護師に比べて具体的な名称が多いです。

申請資格

申請資格は以下です。

・日本の看護師免許を持っている
・認定看護師教育機関の認定看護師教育課程の修了
・看護師として5年以上の実務研修経験、そのうち3年以上は特定の認定看護分野における実務研修

書類審査

提出書類は以下です。

・認定看護師認定審査申請書
・履歴書
・看護師免許証のコピー
・認定看護師教育機関が発行する教育課程修了証のコピー

試験

試験は筆記試験のみです。試験時間は100分、四肢択一のマークシートで客観式一般問題20問、客観式状況設定問題20問が出題されます。合格率は88.8%(2019年)とかなり高いです。

認定看護管理者

認定看護管理者は、看護師として5年以上の実務経験があり、管理者として優れた資質を持ち、創造的に組織を発展させることができる能力があると認められ、認定看護管理者認定審査に合格した看護師です。認定看護管理者数は4,157名(2020年1月)です。

申請資格

申請資格は以下です。

・日本の看護師免許を持っている
・看護師として5年以上の実務研修経験、そのうち3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験
・以下いずれかの要件を満たす
①認定看護管理者教育課程サードレベルの修了
②看護系大学院で看護管理を専攻し修士号を取得、修士課程修了後の実務経験3年以上
③師長以上の職位で管理経験3年以上、看護系大学院で看護管理を専攻し修士号を取得
④師長以上の職位で管理経験3年以上、大学院で管理に関連する学問領域の修士号を取得

①にある「サードレベル」というのは認定看護管理者カリキュラム基準で定められている教育課程のレベルです。ファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの3つがあり、ファースト105時間、セカンド180時間、サード180時間です。なので合計465時間のカリキュラムを受ける必要があります。もしくは、看護系大学院や大学院で修士号を取得してね、という感じです。

書類審査

提出書類は以下です。

・認定看護管理者認定更新申請書
・履歴書
・勤務先の長の発行する勤務証明書
・認定証取得後5年間の看護管理実績報告書
・認定証取得後5年間の自己研鑽の実績報告書

「自己研鑽の実績報告書」というのが気になって調べてみたところ、学会参加や発表、実践活動がそれぞれ点数化されていて合計50点以上あることが必要みたいです。

試験

試験は筆記試験のみです。試験時間は120分、四肢択一のマークシートで客観式一般問題20問、論述問題2問が出題されます。合格率は約75%(2019年)と合格率は低めです。

感想

看護師の資格で病院やクリニックを探すことはありませんが、それぞれの専門性を高める資格認定制度は質の高い看護を受けられる訳で、非常に素晴らしいと思いました。

母体保護法指定医師

これはちょっと特殊な資格ですが、産婦人科のホームページでよく見るので紹介します。
母体保護法指定医師とは、母体保護法第14条に基づいて人工妊娠中絶を行うことができる医師です。審査・指名は民間団体の都道府県医師会が行っています。

母体保護法は、妊婦の生命や健康の保護を目的とする法律で、不妊手術と人工妊娠中絶に関する事項が定められています。で、第14条には健康を著しく害する恐れがある妊娠や望まない妊娠の場合、同意を得て人工妊娠中絶を行えると定められています。

参考母体保護法 第3章 母性保護 – 日本産婦人科医会

つまり、母体保護法指定医師が在籍していない産婦人科では人工妊娠中絶できないということです。

都道府県医師会が審査・指名を行っているという事は、各都道府県によって母体保護法指定医師の指定基準が多少異なるのかもしれませんが、日本医師会が母体保護法指定医師の指定基準モデルを作成しているので、どの都道府県もこの指定基準に沿って指定しているはずです。

文献「母体保護法指定医師の指定基準」モデル の改定について

ここでは、日本医師会の母体保護法指定医師の指定基準モデルに沿って説明していきます。

申請資格

申請資格は以下です。

・医師免許取得後5年以上で産婦人科の研修を3年以上、または産婦人科専門医
・研修期間中に人工妊娠中絶手術10例以上と人工妊娠中絶手術か流産手術の実地指導10例以上
・原則、都道府県医師会の定める指定医師のための講習会を受講

ここでいう研修とは、都道府県医師会が認める研修機関での研修です。どんな研修機関が認められているのかというと、以下になります。

・医育機関の付属施設
・腹腔鏡手術を含む開腹手術50例以上、分娩数120例以上を取り扱う施設で、2名以上の母体保護法指定医師の資格者が在籍し、緊急手術に対応できる機関
・都道府県医師会に登録し、研修機関と認められた施設

医育機関は簡単に言うと「〇〇大学医学部付属病院」です。上記に加え、研修期間の指導医は母体保護法指定医師で、原則、産婦人科専門医の資格を持っていなければなりません。

書類審査

提出書類は以下です。

・母体保護法指定医師申請書
・母体保護法指定医師指定原簿
・履歴書
・地区医師会長の意見書
・産婦人科専門医の専門医証のコピーか指導証明書
・研修症例実施報告書
・母体保護法設備指定原簿
・証明願
・誓約書
・母体保護法指定医師研修会参加証

参考母体保護法指定医師関連 | 公益社団法人 東京都医師会

ここでは東京都医師会を参考にしましたが、他もあまり変わりはないでしょう。提出で特に難しい書類はありません。提出先は都道府県医師会の会長宛です。

試験

試験はありません。都道府県医師会が認めれば指定医師です。

感想

母体保護法指定医師の資格を取る医師、母体保護法指定医師が在籍しているかどうかで産婦人科を探す患者。色々と考えたことを書こうと思いましたが、やっぱりやめておきます。一つ言えるのは、母体保護法によって一人でも多くの女性の生命と健康が守られるといいなと思います。

あと、これはホームページの話ですが、母体保護法指定医師を広告する際は「東京都医師会指定 母体保護法指定医師」など、どの医師会に指定されているのかまでを記載するのが正しい表記と思います。医療広告ガイドラインでは学会名なしの専門医表記はNGで、母体保護法指定医師だけぽつんとあるのは不自然ですので。
あと、なぜか「母体保護法指定医」と”師”を表記しないクリニックが多いですが、正式名称は「母体保護法指定医師」なので注意しましょう。これ、なんで”師”だけとるんでしょうね?謎です。

まとめ

以上、主に産科に関する資格について調べてみました。本当は日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)や周生期医療支援機構のALSOなども調べたいのですが、もうしんどいのでまたの機会に…

あと、前回も紹介しましたが大切なことなので再度紹介します。

また、例えば医療機関や医師を探すときに、専門医の資格をもつかどうかは、判断基準の一つにはなりますが、あなたのがんについて精通し、あなたの希望を聞きながら最善の治療法を模索してくれる医師が、必ずしも専門医とは限らないことも念頭に置きましょう。

出典:医療職の専門性に関する資格の情報:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

参考サイト

日本産科婦人科学会

日本医学会 – No.26 日本産科婦人科学会
基本領域及びサブスペシャルティ領域における専門医数・診療科別医師数 – 厚生労働省
日本産科婦人科学会における専門医の養成・認定の現状 – 厚生労働省
周産期・新生児学会「周産期専門医」制度 | 一般社団法人関東連合産科婦人科学会
日本周産期・新生児医学会理事長挨拶
指導医検索:公益社団法人 日本産科婦人科学会

日本生殖医学会

日本医学会 – No.73 日本生殖医学会
日本生殖医学会雑誌Vol.57

日本看護協会

2018年度 専門看護師認定審査および認定更新審査結果について

母体保護法指定医師

人工妊娠中絶について教えてください。 – 日本産婦人科医会
人工妊娠中絶ができる条件とは何ですか? – 日本産婦人科医会

その他

「専攻医」は、「研修医」とどう違う? : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)

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